2016-04-01

練習とは何か

当ブログをご覧の皆様、すっかりご無沙汰しております。

さて、今日は久々にコラム的なものを書いてみようと思います。

テーマは「練習について」

音楽に携わる(専門家、アマチュア含め)すべての人の一大テーマだと思います。

まず初めにそもそも「練習」とは何かを考えてみたいと思います。何のために練習をするのか。

「そんなのは当然、楽器を上手く弾きこなすためでしょ!」という声が聞こえてきそうですが、

それでは、なぜうまく弾きこなしたいのでしょうか?

まずそこからスタートしたいと思います。

なぜ練習をするのか。すこしだけ具体的に考えてみましょう。

・自分の愉しみの為に
・ある特定の曲が弾けるようになりたい
・発表会で上手に弾きたい
・ボランティア活動、披露宴での演奏など不特定多数の人前で演奏するため
・コンサートで演奏するため

など色々と考えられますね。

そして、練習をしようと思っている人の状態にはいくつか段階があります。大雑把に書いてみましょう。

1・全く持って演奏不能
2・何とか音は出せるが、通せない
3・曲を通すことが出来る
4・音楽を表現することができる(作曲家の意図を体現できる)

例えば、弾きたい曲をすでに通すことができる人が自分の為に弾く場合と、全く持って演奏不能な初心者が友達の披露宴で演奏をしたい場合とでは、行うべき「練習」の中身は全然違います。
前者にとって「練習」とは「ただいつも通り曲を通す」ことでしかないかもしれませんし、後者にとって「練習」とはこれから披露宴までに行う必要な作業のあらゆる全て、を意味します。

つまり、練習を基底するものとして「今現在どのような状態にあるのか」そして、「これから何をするか」という二つの要素があるのではないでしょうか。

この二つの在り方によって「練習」の意味、つまり中身は変わってくるでしょう。

つまり僕には僕の、彼には彼の、あなたにはあなたのやりたい事やできる事とできない事があります。それに従ってこれからなすべきこと、すなわち「練習」の内容を決めていったらいいと思います。

まとめると、必要な「練習」とは目的や現在の状態に依存して変わっていくものですし、人によって当然違うものなのです。人と練習量や練習内容を比べても意味はないかもしれません。
雑誌にもプロへのインタビューで「何をどのくらい練習しますか?」と聞くものがあったりしますが、興味は尽きないのでありがたいことではありますが、基本的に参考にはならないと思っていいと思います。なぜなら正直なトッププロはだいたいこのように答えるからです。

「その時々で必要なことを練習するだけだ」

(^▽^;)

これは読者いじめでも高飛車な態度でもなんでもなくて、本当の事を言おうと思ったらこのようにしか言えないのだと思います。

・・・余談ですが、できることが増えても、これからやるべきことも増えていく(ように見える)としたら、原因はこのためで、あなたの目標や状態が変われば、当然必要な「練習」も変わっていきます。周りの人がやっていない(あるいはそう勝手に思い込んでいる)事が必要になったり、レッスンで要求されたりするかもしれませんが、それはとても自然な事で、逆に状態が良くなっていることを意味すると思った方がいいでしょう。逆に、目的意識や状態が日々変わっているのにも関わらず、同じ「練習」をただ繰り返すことこそ無意味なのです。

「うーん、音楽を求めれば求めるほど過酷な「練習」が待っているってことですね。。。でも目標は高くなるばかりだし、楽になる日はないのか。。。」

でも、そうやって今の自分自身を更新し超えていくこと自体に喜びがあるような、そんな気がしませんか?

さ、それでは目標を持って、今出来る事と出来ない事を見つめ、今日も練習頑張りましょう!!